- さん
- I
さん(接尾)〔「さま(様)」の転〕(1)人名・職名などに付けて敬意を表す。 また動物名などに付けて, 親愛の意を表すこともある。
「山本~」「お父~」「課長~」「お手伝い~」「お猿~」
(2)体言または体言に準ずる語に付けて, 丁寧の意を表す。II「ごくろう~」「お世話~」
さん【三・参】(1)数の名。 二より一つ多い数。 一の三倍の数。 み。 みつ。 みっつ。(2)二番目の次の順番。「~の酉(トリ)」
(3)「三の糸」の略。III「~下がり」
さん【参】(1)二十八宿の一。→ しん(参)(2)禅宗で人を集め, 座禅・説法・念誦(ネンジユ)すること。IVさん【山】(1)山の名に付けていう。「富士~」「筑波~」
(2)仏寺の称号に添えていう。 山号。V「金竜~浅草寺」「吉祥~永平寺」
さん【惨】むごたらしいさま。 また, ひどくいたましいさま。 多く「さんとして」の形で用いられる。VI「~として風雨の来襲を待つ状(サマ)/自然と人生(蘆花)」「浪子は~として笑みつ/不如帰(蘆花)」
さん【散】※一※ (名)(1)〔仏〕 精神統一がなされず, 宗教的瞑想に入っていない心の在り方。 あれこれと揺れ動く, 日常的な心の在り方。⇔ 定(2)こなぐすり。 [ヘボン]※二※ (接頭)位階を表す名詞に付いて, 位だけがあって官職に就いていないことを表す。VII「~一位」
さん【桟】(1)戸や障子の骨。(2)雨戸の猿。→ 猿(3)(3)蓋(フタ)などが反るのを防ぐため裏に打ち付ける細い横木。VIIIさん【燦】あざやかなさま。 きらびやかなさま。IX「第三の世界は~として春の如く盪(ウゴ)いてゐる/三四郎(漱石)」「~たる灯火一斉に消え/あめりか物語(荷風)」
さん【産】(1)(多く「お産」の形で)子供が生まれること。 分娩(ブンベン)。 出産。(2)生まれ育った土地。 出身地。「君は一体どこの~だ/坊っちゃん(漱石)」
(3)財産。 資産。「~を成す」
(4)地名の下に付いて, その土地の生産であることを表す。「北海道~のジャガイモ」
~の紐(ヒモ)を解・くお産をする。 分娩する。「かくて, 年月を経るほどに, 三年三月にて, ~・き給ふ/弁慶物語」
~を傾・ける(1)財産を使いはたす。(2)財産全部をかけて, あることを行う。~を破・る財産を無くす。 破産する。Xさん【算】(1)占いに用いる算木(サンギ)。 また, 占い。(2)昔, 中国から渡来した計算用具。 長方形の小木片, 二七一枚を集めたもの。(3)計算。 勘定。「たとへ~があうても/浄瑠璃・重井筒(上)」
(4)そろばん。~を置・く(1)算木で計算する。(2)算木で占う。~を散ら・す「算を乱す」に同じ。「楯は~・したる様にさんざんに蹴ちらさる/平家 11」
~を乱・す算木を乱したように散乱する。 ちりぢりばらばらになる。 算を散らす。XIさん【賛・讃】(1)漢文の文体の一。 人や物をほめたたえる際の文体。 多く四字一句とし韻を踏む。(2)東洋画で, その絵に関した詩歌・文章を画面の中に記すこと。 また, その詩歌・文章。 画賛。(3)仏・菩薩の功徳をほめたたえた言葉。 梵讃(ボンサン)・和讃の類。(4)非難。 批評。XII「出口の茶屋に腰掛けながら, 朝帰りの客に~付くるに/浮世草子・諸艶大鑑 1」
さん【酸】(1)すっぱいもの。 すっぱい味。「~が強いみかん」
(2)〔化〕 水に溶けたときに電離して, 水素イオンを生ずる物質。 酸味をもつ・青色リトマス試験紙を赤色に変える・塩基と反応して塩と水を生じるなどのいわゆる酸性は水素イオンの性質による。 また, イオン化列で水素よりも前にある金属を溶かして塩をつくり水素ガスを発生する。 酸はその電離度により, 強酸と弱酸に区別される。 現在では水溶液のみでなく, 広範な化学反応を酸・塩基の立場で説明するために, 酸を陽子供与体としたり, 電子対受容体とする定義が用いられている。→ 塩基→ アルカリXIIIさん【餐】〔「ざん」とも〕飲食すること。「朝暮の~も心にまかせず/平家 3」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.